今年の冬は、ヨーロッパで再びエネルギー危機が起きるかもしれない。ロシア産エネルギーのEU地域への供給がウクライナ戦争の状況次第で制約を受けそうな雲行きだからだ。
ドイツはその基本エネルギー政策を化石燃料から太陽光や風力などの再生可能エネルギーなるに転換したが、実際に必要となる需要を満たすには何年もかかると思われる。緊急事態になれば、おそらくトランプ米大統領が米国産の石油と天然ガスを売りたいとEU首脳に直接掛け合うことになるかもしれない。
こうした季節的なエネルギー危機を回避する良いアイデアはないものだろうか。現在、AIデータセンターの建設ブームは世界中で継続中だが、別のトレンド、AIを使用した再生可能エネルギーの最適化の取り組みが一方で進行しつつある。たとえば、AI技術とリンクした太陽光や風力の追跡システムが、将来的に再生可能エネルギーのあり方を占うことになる可能性がある。
再生可能エネルギーは、経済発展に飛躍的に貢献することはないとよくいわれるが、そうした先入観は間違ってはいないか。化石燃料によるエネルギー事業は、採掘量、高品質、適正価格が、経済的効果を生む主要ファクターである。これらのファクターを、AI技術と供給が安定しない太陽光、風力などと組み合わせてうまく最適化できないものかと思う。言いかえれば、新エネルギーの高精度な採掘ができる効果的な方法が、AIベース(あるいは量子技術でもいいが)で実現できるのではないか。
冒頭のヨーロッパにおけるエネルギー危機について言えば、なぜEU首脳はくり返されるエネルギー不足の解決に向けAIの有効活用について議論しないのだろうか。彼らは、我々の未来の社会に向かって真剣な実践的議論よりも、互いにふりかかった不運を慰め合っているのだろうか。
現状の世界を変えるのに最も重要なポイントは強い意欲を持つことである。それは経済危機にあたって政治的な立ち回りで体よく逃げることではなく、厳しい現実を直視し、状況を実際に変えてゆこうという決然たる意志を抱くことである。
過去の時代、人類はときおり途方もない困難を伴う不測の出来事や事件に見舞われてきた。だが我々の祖先は、その都度それらに打ち克ってきたではないか。歴史が示すように、我々は自らの手で安全で信頼できる世界を生み出すために、決然として知恵を出し合うべきである。袋小路に陥ってはならない。自ら新しい世界への扉を開こうではないか。
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